1. 偏差値とは何か?どんなことに役立つのか?
偏差値とは何でしょう。これは得点でも順位でもありません。 それぞれの得点を一定の基準で計算しなおした数値で、平均点の得点は偏差値では50で示されます。
ふつう最高得点は偏差値では75ぐらい、最低得点は偏差値では25ぐらいになります。偏差値はテストの成績を比較したり、予測したりするのに役に立ちます。
2. テストの成績は、得点と順位だけでは表せない!
* 成績を得点で表した場合……
たとえば、第1回のテストで64点の人が、第2回のテストで59点であったとします。
確かに得点は5点下がりました。しかし成績は本当に低くなったのでしょうか?
もし第1回の平均点が65点、第2回の平均点が55点であったとすればどうでしょう。
第1回の得点は、平均点より1点低く、第2回の平均点より4点高いということになり、
成績としては、第1回より第2回のほうがよいことは当然ですので、得点だけでは成績は正しく表せません。
* 成績を順位で表した場合……
たとえば、第1回の順位が100番、第2回の順位が150番であったとしたとき、
順位が50番下がったことで、 成績が下がったといえるでしょうか?
第1回の受験者が500名、第2回の受験者が750名であったとするとどちらも順位は前から全体の20%のところに位置していることで、一概に成績が下がっているとはいえません。
また、たとえ同じ比率のところに位置していても、得点の分布(ちらばり)が平均点のところに集中 しているときの20%と、上位と下位とに大きなへだたりがあるときの20%とでは、当然ちがうはずです。
3. 偏差値は何を表すか?
以上のように、テストの成績は、得点と順位だけでは正確に表せません。
その上、得点・平均点・順位が同じでも受験者数や、得点の分布も考えなければいけないことがおこります。
そこで、受験者数・順位・平均点・得点のちらばりをすべて組み込んで、統計学の理論をもとに、 科学的な数値にしたのが偏差値です。
偏差値は高い程良い成績といえます。
大まかにいえば、最高で75くらい、 60以上あればすぐれている、平均点がちょうど50、そして40未満は努力を要すると考えて下さい。
普通40〜60の範囲内に、全体の2/3くらいの人がいることになっています。
しかしそれも、そのテストに参加した人の中でいわれることで、その参加者全体がすぐれているときあるいは、 そうでないとき、その中でのことになります。